日本のGDP

2024年02月23日

日本のGDPがドイツに抜かれ4位に後退した理由

 

202310月、日本のGDPがドイツに抜かれ、4位に後退しました。この背景には、以下が主要因と僕は考えております。

出来るだけわかりやすいように専門用語を使用しないで説明します。

初めにGDPの決め方を簡単に説明すると、民需に加え、政府が使ったお金である「政府支出」と輸出額から輸入額を差し引いた「貿易収入」 を合計した金額がGDP(国内総生産)となります。

 

    2022年以降、急速な円安が進行し、2024年2月には1ドル150円台まで下落しました。これは、日本のGDPをドル換算すると目減りすることを意味します。一方、ドイツはユーロ高の影響を受け、名目GDPが膨らんでいます。

    日本は30年近くデフレの状態で、ここにきて、エネルギー価格の高騰(特にウクライナ戦争でのガス料金)やユーロ高でドイツは日本よりも物価上昇率が高く、名目GDPの伸びも大きくなっています。

    政府が使うお金(国債である建設公債・特例公債の発行で賄います)がひと昔前まではコンクリート(箱物ともいう)がメインで国債をバンバン発行していました。しかし「コンクリートから人へ」と方針を変更し規模が縮小しました。

参照 財務局HP https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/a02.htm

 

    皆様も感じているように一般的に30年余り給料が上昇していません。物価の上昇に比例していないので民需(消費)も伸びていないのです。

 

以上が大きな原因と考える事ができますが、必ずしも名目GDP(国内で新たに生み出されたモノやサービス、「付加価値」の合計で、これに対し実質GDPの価格水準を基準として、物価変動要因が取り除かれた金額です。)これのみで経済規模を比較することは適切ではないと思うのです。

その理由は、購買力平価(PPP)で比較すると、日本は依然として世界第3位の経済大国です。PPPは、異なる通貨間の購買力を考慮した指標であり、より実態に近い経済規模を比較することができます。

 

日本の人口よりだいぶ少ないドイツにGDPで抜かれた記事を去年読んだとき中国に抜かれるまで世界第2位の位置にいたのにショックを受けていたのですがよく考えるとずいぶん楽になりました。

ちなみに中国のGDPも現実的ではないと考えております。計画経済には地域のノルマが与えられており、それが達成されようとしまいが、100%反映される仕組みだからです。

 

経済学部を40年ほど前に卒業論文では「ケインズ経済学が現在の経済にあてはまるのか?」を書きましたが僕は今でも原則的には当てはまると考えています。

今年は国内でもアメリカでも選挙が控えており、外的要因や政権与党のかじ取りで大きな変化が期待?できると思っております。

 

次回は前述の外的要因の大きなものとして、共和党のトランプ勝利とウクライナ戦争が日本に何をもたらすのかを考察したいと考えております。