安全保障

2023年10月08日

鈴木宗男参議院議員と日本の安全保障

 

いくつかのメディアによると、党に無断でロシアを訪問した鈴木宗男・参議院議員を巡り、所属する日本維新の会の党紀委員会は「除名処分」とする決定(10月8日時点では決定していない)を、週明けにも下すようです。

 

私見とお断りして僕の考えを述べます。

鈴木議員がロシアのメディアに次のような発言をしています。

日本政府はウクライナ戦争で、ウクライナの市民が大勢亡くなる武力侵攻を非難する声明を出しているにも関わらず

「この度のロシア特別侵攻についてロシアの勝利を100%信用している」と

 

この本格的なロシアによる軍事進攻の前にはロシアによるクリミア半島の併合やミンクス合意等の伏線がありましたが鈴木宗男議員の言うようにロシアが勝利しウクライナの領土を割譲するようなことが起きれば、世界中の強権国家は武力による現状変更が許されるものだと解釈し、現実に行動を起こすだろう。

前記の強権国家には国連の常任理事国が2つも入っており、国連安全保障理事会は機能しなくなると考えられます。

 

それでは現在進行形のウクライナ戦争はどのように終結するのでしょうか?

ウクライナが勝利する場合

   ウクライナが勝利するにはロシアのモスクワ(クレムリ)ンまで侵攻できれば無条件降伏となり、ウクライナの復興、再建、賠償を獲得する。

   ロシアは現在Swift から接続を拒否されたり、さまざまな経済制裁でロシアの市民の不満が爆発して反政府勢力がプーチン政権を終わらせたとき。

   ポーランドやルーマニア等、NATO加盟国と軍事衝突が起こった場合集団的自衛権(第5条)が発動され、第3次世界大戦が起こり、ロシアの敗北となる。

ロシアが勝利する場合

   欧米、その他自由主義国家の軍事的、経済的な援助が終了する時。

   ウクライナがクリミア半島に侵攻し、占領が達成しそうになれば、ロシアは「祖国防衛のため」戦術核兵器を使用する。

 

前記のシナリオで勝敗を決めるのではなくウクライナが国土の一部をロシアに割譲して停戦合意することが現実的だと思われます。

どこかの国が停戦の仲介することになるのですがウクライナの大統領ゼレンスキーは1991年の独立時の領土全てを返してもらう以外考えていないように思われます。

翻って、我が国の進むべき方向を考察しよう。

前述の中ででたミンスク合意でロシアとウクライナで停戦条件を約束しました。しかしながらロシアは守ることができないばかりか、嘘をつくのが現実である。

もう1つ例をあげます。

先日、フィリピン沿岸警備隊は南シナ海で中国が違法に設置した障害物を撤去したところ10月4日、フィリピン沿岸警備隊は、中国海警局の4隻の船と中国の海上民兵が乗り込んでいたとみられる5隻の船に囲まれ、航行を妨害され、南シナ海で中国海警局の船がわずか1メートルの距離まで接近し、航行を妨害した。

この海域は2016年7月12日、南シナ海をめぐるフィリピンと中国の紛争に関して、国連海洋法条約に基づいて設立された仲裁廷が最終的に排他的経済水域と判断されていた。

 

強権国家から武力侵攻されない国にする唯一の方法は外交努力や話し合いではなく強力な軍事力であるのは長い歴史から証明されている事実である。

 

日本の安全保障を堅固なものとするためには現在の法改革が喫緊の課題である。