分断が進む国際社会

2024年02月26日

僕が去年「欧州の右傾化」というブログを書きましたが、いよいよ下記の通りアメリカも来年からさらに右傾化するのでしょうか?

今月2月24日でウクライナ戦争は3年目に入り、アメリカでは共和党の候補者を選ぶ南部サウスカロライナ州の予備選で、トランプ前大統領が勝利を確実にしたと報じられました。対抗馬で同州知事を務めたヘイリー元国連大使の地元を制し、5連勝で党候補の指名獲得に近づいた。対する民主党の候補はほぼ現職のバイデンになりそうなので、来年からの大統領がランプ前大統領になる可能性が高くなったと言えるでしょう。(一般的に現職大統領は不利なので)

この2つの事は地球規模で暗いトンネルに入ろうとすることを示唆していると僕は思うのです。その理由や背景、要因について僕の考えを述べます。

近年、欧米諸国では右派と左派の政治的な対立が激化しています。その背景には、様々な要因が複雑に絡み合っており、下記のように考えられます。

①   近年、欧米諸国では経済格差が拡大しています。富裕層と貧困層の間の対立が深まり、政治的な分断も進んでいます。

右派は、経済成長を重視し、規制緩和や減税などの政策を主張し、自国ファースト的な政策、関税(WTOをも無視する)、移民の受け入れやSDGs、LGBTに否定的。

左派は、格差の是正を重視し、累進課税の強化や社会福祉の充実などの政策を主張し、SDGs、LGBTを好み実践する。

グローバル化の影響で、欧米諸国の製造業の雇用が減少しています。労働者階級の不満が募り、政治的な分断も深まっています。

右派は、移民や外国人労働者を排斥し、国内の雇用を守るべきだと主張します。

左派は、グローバル化の負の影響を労働者階級が被らないように、社会福祉の充実などを主張します。

②   近年、欧米諸国では移民の増加や多文化化が進んでいます。移民に対する排斥的な感情を持つ人々と、寛容な態度を持つ人々の間で対立が生じています。

右派は、移民の受け入れを制限し、自国の文化を守るべきだと主張します。

左派は、移民の受け入れを拡大し、多様性を尊重するべきだと主張します。

③   ソーシャルメディアの普及により、人々は異なる意見を持つ人と交流する機会が減少し、自分と同じ意見を持つ人同士のコミュニティに閉じこもる傾向があります。このことは、異なる意見に対する理解が深まらず、政治的な対立が激化する要因となっています。

④   トランプ前大統領はまさに右派の典型で、ポピュリストでもあります。近年、欧米諸国ではポピュリズムと呼ばれる政治思想が台頭しています。ポピュリズムは、民衆の感情に訴えかけ、既存の政治体制(民主党バイデン現大統領)を批判する政治思想です。

彼は移民や外国人に対する排斥的な感情を煽り、民族主義的な政策を主張します。「ウクライナ戦争をすぐに終わらせることができる」と権威主義のロシアと戦う、ウクライナを見捨てるつもりです。

左派であるバイデン現大統領には派手さなないけれど欧米を始めとする自由主義陣営の秩序を守る為にウクライナに武器援助を続けようと努力しています。

これらの要因が複雑に絡み合い、欧米諸国では右派と左派の政治的な対立が激化しており、この隙に権威主義的な国々がジュネネーブ条約や国際法を無視し、力(武力)により現状を変えようと、縦横無尽に暴れまわる状況が形成されつつあるのです。

UN(国際連合)の常任理事国が本来の平和な世界を破壊し、安全保障が全く機能していない現在、戦争の放棄を憲法に定めた日本もそろそろ真の安全保障を真剣に考える時期が到来したと僕は考えています。

次回は「日本の安全保障を考える」について書きたいと考えています。

最後まで読んでいただいてありがとうございます。